「沖山の塁」を徹底的に歩く!


沖山の塁ってなによ?


赤塚城とセットでめぐって欲しいのが、香川元太郎先生イラストにあるこの左側の砦みたいな方です。

こちらは、沖山の塁という名前の城跡。おそらく旧鎌倉街道を赤塚城とセットで守る砦(支城)のような役割だと思ってます。しかも、西股先生が見つけた城だそうですよ東京都から出ている発掘調査報告書によると、沖山には建物の跡が見つかっているとのことです

弥生時代から古墳時代の環濠集落

弥生時代以降の環濠集落もあり、台地の先端(つまり集落のあった部分)と地続きになっている部分には溝状の遺構が二条あったようです。溝の大きさ的に環濠集落の堀だと
か。私でもココに堀切るわ(・´ω`・)

中世の城郭遺跡

「長さ40mの環濠二号溝の横に、中世城郭遺跡の一部である柵列跡もみつかっている」とな。先端(つまり沖山の塁がある部分)と地続きになっている部分に中世の遺構も見つかったそうです。地続き部分に堀と柵列だけってちょっと弱そうな…
さらに、沖山南東側斜面部には中世の遺構である「武者走り」も発見されたそうですよ!あの横堀の部分ですかね。
『板橋区史 』の「考古学」編  参考

中世の情報は少ないんだけど、ココはなんだったんだろうか?と、わくわくしてくるちなみに、沖山の塁赤塚城の間の地域は「大門」という名前で残っていますなんか、門がありそうな名前!

↑沖山の塁は、赤塚公園の長ーい台地の先端、5分の1にしか過ぎません。

結局なんだかわからないままの「沖山の塁」ですが
縄張図は、西股先生の御著書にあり、詳しい解説もあります。マイナーな沖山の塁を取り上げている本は本当にわずか!

▶︎『首都圏発 戦国の城の歩きかた』
▶︎『東京都の中世城館』
伝説の本ですが、金額が「わぁ〜」なのでとても買えません(笑)

ー横堀
ー竪堀?
ー横堀に見えて、ただの谷地形!注意

沖山の塁を歩いてみよう

 

まずは、黄色の線がある、沖山の塁西側(赤塚城側)の谷地形を見てみましょう!


フェンスが埋まっている所からして空堀っぽいですが、元々は谷部。そこにコンクリートで道路(坂)が作られ、その高低差がこの空堀っぽい跡だと思います。


沖山の塁の南側の階段です。この階段を登ると、広場にでて、そこに沖山遺跡の看板があります。この階段は結構急で高さもある!そういう場所に築かれているのですね。ちなみに、フェンスの向こう側の土の部分も階段がついていて登れるようになっています。


主郭部はサッカーボールが飛び交う子供たちの憩いの場に

看板

続いてはマップ赤色の線=横堀です!沖山の塁の北側にあたります。

調査報告書にある武者走りとは、この横堀のことだと思います。人ありバージョンだとちょっとわかるかな?結構埋まっていますね。
この横堀は、北側=新高島平駅・荒川側、つまり先端にあります。ちなみに北側の平地は今は住宅地となっていますが、当時は湿地帯が広がっていました。




「つ」の形のようにカーブして横堀がはいっているのですが、ココは「つ」の止めの部分。沖山の塁ではメインの横堀ですw 誰ですが、切った枝は堀底に捨てないでください。
だからどんどん埋まっていっちゃうのですよここも人が立つと下がっていることがわかりますでしょうか? 写真だと伝わりにくいので、ぜひ現地で、あなたの目で確認してくださいね。


「つ」の形をした横堀のカーブがあり、その先は竪堀へと向かっています。


竪堀です!……ん???

でも、中世の痕跡はまだあるそうで

「南東の武者走り」も発掘されたそうで、きっとここら辺。今や全くわからないです台地続きの場所なので、堀切を入れたいところですが、堀切はなかったみたい。この武者走りは横堀でいいのかな?

さて、沖山を飛び出し大門地区にも移動しますとびだすうさぎ2

大門地区も歩いてみよう

大門地域には、この復元イラストでいうところの道の跡がしっかりと残っていました。しかも、土塁が折れて残っているのです。枡形みたいでしたこの道は、旧鎌倉街道を抑える門があったから「大門」という地名なのかもしれませんね

大門地区 真ん中あたり

北側の低地から南側の台地の上に向かって進んで行くと…

旧鎌倉街道の枡形部分

大門地区を通る旧鎌倉街道の道。歩いてみるとわかるのですが、あきらかに土塁が折れています写真じゃ全然わからんな(笑)

ここは「しったり坂」という名前が昔からあり、旧街道の一部でした。⇒街道歩きのブログへ

大門地区赤塚城側(上の青い←側!)
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赤塚城近く、おそらく櫓台

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うーん。写真だけだとわかりにくいねー。木もボーボーで、視界が確保できませんが、往時は赤塚城を守る櫓台のような役割を果たしていたのではないかな?

 

季節で楽しむ沖山の塁


これは私にしか撮れない風景でしょう春夏秋冬の沖山の塁。毎日見ていると当たり前になっちゃうけど、ちゃんとカメラ持って行こう。

セットで巡る、赤塚城

こちらも是非ご覧下さい。
▶︎「地元民が教える赤塚城の見どころ」

Author: inamotokaori
お城マニア&観光ライター

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